← 読書感想文のおたすけ

【小学3・4年生】読書感想文の書き方──登場人物の心を読み、自分の心と比べる

【小学3・4年生】「どうやって書けばいいの?」がなくなる!読書感想文の書き方▶ YouTubeで見る【小学3・4年生】「どうやって書けばいいの?」がなくなる!読書感想文の書き方

夏休なつやすみになると、こんな相談そうだんをよく聞ききます。

「心こころに残のこった場面ばめんは、見みつけられました。でも、そこから何なにを書かけばいいのか、分わかりません。」

「おもしろかったです。」「すごいと思おもいました。」——ここまでは書かけても、その続つづきが、なかなか出でてこないことがありますよね。

中学年ちゅうがくねんでは、心こころに残のこった場面ばめんを見みつけたあと、登場とうじょう人物じんぶつの気持きもちに目めを向むけます。 登場とうじょう人物じんぶつは、そのとき、どんな気持きもちだったのでしょう。そして、その気持きもちと自分じぶんの気持きもちを比くらべると、自分じぶんにしか書かけない感想かんそうが見みつかります。

低てい学年がくねんの読書どくしょ感想かんそう文ぶんでは、自分じぶんの心こころが動うごいたところと、自分じぶんの経験けいけんをつなげました。中学年ちゅうがくねんでは、そこから一歩いっぽ進すすんで、登場とうじょう人物じんぶつの心こころを読よみ、自分じぶんの心こころと比くらべていきます。

ということで、今回こんかいのテーマはこちらです。

中学年ちゅうがくねんの読書どくしょ感想かんそう文ぶんは、どう書かけばいいの?

今回こんかいは、『はだかの王おうさま』を使つかって、読書どくしょ感想かんそう文ぶんを最後さいごまで書かく方法ほうほうを見みていきましょう。


第だい一いち章しょう 一人ひとりの登場とうじょう人物じんぶつに注目ちゅうもくしよう

『はだかの王おうさま』は、新あたらしい服ふくが大好だいすきな王様おうさまのお話はなしです。

ある日ひ、王様おうさまのところへ、二人ふたりの男おとこがやって来きます。二人ふたりは「愚おろかな人ひとには見みえない、特別とくべつな服ふくを作つくることができます」と言いいました。もちろん、そんな服ふくはありません。二人ふたりは、何なにもないところで、服ふくを作つくっているふりをしていたのです。

ところが、王様おうさまにも家来けらいたちにも、服ふくが見みえません。それでも、みんな「すばらしい服ふくです」と言いいました。そして王様おうさまは、見みえない服ふくを着きているふりをして、町まちの中なかを歩あるき始はじめます。

この物語ものがたりには、王様おうさまや家来けらい、町まちの人ひと、子こどもなど、いろいろな登場とうじょう人物じんぶつが出でてきます。今回こんかいは、その中なかから王様おうさまの気持きもちに注目ちゅうもくします。

王様おうさまには、服ふくが見みえていません。それなのに、「私わたしには見みえない」とは言いいませんでした。どうしてでしょう。

  • 愚おろかな王様おうさまだと、思おもわれたくなかったのでしょうか。
  • 家来けらいたちの前まえで、恥はずかしい思おもいをしたくなかったのでしょうか。
  • それとも、周まわりがみんな服ふくをほめていたので、自分じぶんだけ見みえないとは言いえなくなったのでしょうか。

物語ものがたりには、「王様おうさまは、愚おろかだと思おもわれるのがこわかった」とは、はっきり書かかれていません。けれども、王様おうさまが言いったことや、したことを読よむと、その奥おくにある気持きもちを考かんがえることができます。

中学年ちゅうがくねんの読書どくしょ感想かんそう文ぶんでは、登場とうじょう人物じんぶつの行動こうどうだけを見みるのではなく、「なぜ、この人ひとはこんなことをしたのだろう」 と、心こころの中なかまで考かんがえていきます。


第だい二に章しょう 言葉ことばや行動こうどうを手てがかりにしよう

登場とうじょう人物じんぶつの気持きもちは、何なんとなく想像そうぞうするだけでは、なかなか見みつかりません。そこで、物語ものがたりに書かかれている言葉ことばや行動こうどうを手てがかりにします。

今回こんかい、王様おうさまの気持きもちを考かんがえる手てがかりは、主おもに三みっつあります。

  1. 王様おうさまにも、服ふくが見みえなかった
  2. 見みえないのに、そのことを誰だれにも言いわなかった
  3. 何なにも着きていないまま、服ふくを着きているふりをして町まちを歩あるいた

この三みっつをつなげて考かんがえてみます。

王様おうさまは、最初さいしょに服ふくが見みえなかったとき、驚おどろいたかもしれません。けれども「見みえないと言いったら、自分じぶんが愚おろかな王様おうさまだと思おもわれる」と考かんがえて、本当ほんとうのことを言いえなかったのではないでしょうか。そのあと、家来けらいたちも服ふくをほめたので、ますます見みえないとは言いいにくくなったのかもしれません。そして最後さいごには、町まちの中なかを歩あるくところまで進すすんでしまいました。

王様おうさまは、歩あるきながら、どんな気持きもちだったのでしょう。本当ほんとうに立派りっぱな服ふくを着きていると思おもい込こんでいたのでしょうか。それとも、だまされているかもしれないと感かんじながら、今いまさらやめられないと思おもっていたのでしょうか。

王様おうさまの言葉ことばや行動こうどうを順番じゅんばんに見みていくと、服ふくをほめたときの気持きもちだけでなく、町まちを歩あるいているときの気持きもちまで、想像そうぞうできるようになります。

「どこから、そう思おもったの?」を書かいておく

登場とうじょう人物じんぶつの気持きもちを考かんがえたら、「どの言葉ことばや行動こうどうから、そう思おもったの?」 と、自分じぶんに聞きいてみてください。

たとえば「王様おうさまは、愚おろかな人ひとだと思おもわれるのがこわかったのだと思おもう」と考かんがえたなら、「服ふくが見みえなかったのに、見みえないとは言いわなかったから」と、その手てがかりも一緒いっしょに書かいておきます。

中心ちゅうしん人物じんぶつ 王様おうさま
言葉ことばや行動こうどう 服ふくが見みえないのに、見みえるふりをした
気持きもち 愚おろかな王様おうさまだと思おもわれるのがこわかった
手てがかり 見みえないとは言いわず、服ふくをほめた

気持きもちと、その手てがかりを一緒いっしょに見みつける。そうすると、自分じぶんがなぜそう考かんがえたのかが、読よむ人ひとにも伝つたわりやすくなります。


第だい三さん章しょう 登場とうじょう人物じんぶつの心こころと自分じぶんの心こころを比くらべよう

王様おうさまの気持きもちが見みえてきたら、今度こんどは、自分じぶんの心こころと比くらべてみます。そのときに使つかうのが「心こころくらべメモ」です。

🖨 心くらべメモ(白紙)をダウンロード

まず、王様おうさまの心こころを書かきます。

王様おうさまは、愚おろかな人ひとだと思おもわれるのがこわくて、服ふくが見みえないと言いえなかった。

次つぎに、自分じぶんにも似にた気持きもちがなかったかを考かんがえます。

私わたしも、自分じぶんだけ答こたえが違ちがったとき、間違まちがっていると思おもわれるのがこわくて、発表はっぴょうできなかったことがある。

こうして並ならべると、王様おうさまと自分じぶんの似にているところが見みつかります。

もちろん、違ちがうところが見みつかることもあります。

私わたしは、王様おうさまの気持きもちは少すこし分わかるけれど、町まちを歩あるく前まえには、本当ほんとうのことを言いいたいと思おもう。

このように、登場とうじょう人物じんぶつと同おなじか、違ちがうかを考かんがえると、自分じぶんの考かんがえが少すこしずつ見みえてきます。

保護ほご者しゃの方ほうへ

お子こさんが、登場とうじょう人物じんぶつの気持きもちをうまく言いえないとき、大人おとなが正ただしい答こたえを教おしえる必要ひつようはありません。読書どくしょ感想かんそう文ぶんでは、大人おとなが先生せんせいになるよりも、子こどもの考かんがえを引ひき出だすインタビュアーになる方ほうが、うまくいきます。

たとえば、こんなふうに聞きいてみてください。

  • 「王様おうさまは、どんな気持きもちだったと思おもう?」
  • 「どの言葉ことばや行動こうどうから、そう思おもった?」
  • 「自分じぶんにも、似にた気持きもちになったことはある?」
  • 「王様おうさまと自分じぶんを比くらべて、どんなことを考かんがえた?」

「分わからない」と答こたえたときは、すぐに答こたえを教おしえず、その場面ばめんを一緒いっしょに読よみ直なおしてみてください。「王様おうさまは、何なにと言いっていたかな」「本当ほんとうは、服ふくが見みえていたのかな」「そのあと、王様おうさまは何なにをしたかな」——言葉ことばや行動こうどうを一ひとつずつ確たしかめると、そこから気持きもちを考かんがえやすくなります。

大人おとなの考かんがえを伝つたえるときも、「王様おうさまは、こわかったに決きまっているよ」と決きめるのではなく、「私わたしは、こわかったのかなと思おもったよ。あなたはどう思おもう?」 と伝つたえてみてください。おうちの方ほうと違ちがう考かんがえでも、物語ものがたりの言葉ことばや行動こうどうを手てがかりにしていれば、その子こらしい読よみ方かたになります。


第だい四よん章しょう 文章ぶんしょうにしてみよう

王様おうさまの気持きもちと、自分じぶんの心こころを比くらべられたら、集あつめた材料ざいりょうを文章ぶんしょうにしていきます。中学年ちゅうがくねんの読書どくしょ感想かんそう文ぶんは、次つぎの四よっつの順番じゅんばんで書かくと、まとめやすくなります。

  1. 心こころに残のこった場面ばめん
  2. 王様おうさまの気持きもちと、その手てがかり
  3. 自分じぶんの心こころや経験けいけんとの比くらべ
  4. 比くらべて考かんがえたこと

では、一ひとつずつ見みてみます。

① 心こころに残のこった場面ばめん

私わたしは、王様おうさまが服ふくを着きていないのに、立派りっぱな服ふくを着きているふりをして、町まちを歩あるいたところが、一番いちばん心こころに残のこりました。

② 王様おうさまの気持きもちと、その手てがかり

王様おうさまには、本当ほんとうは服ふくが見みえていませんでした。それでも、見みえないと言いったら、愚おろかな王様おうさまだと思おもわれるのがこわくて、服ふくをほめたのだと思おもいます。

気持きもちだけでなく、「服ふくが見みえなかったのに、ほめた」という行動こうどうも書かけています。

③ 自分じぶんの心こころや経験けいけんとの比くらべ

私わたしも授業じゅぎょうで、自分じぶんの答こたえが、みんなと違ちがったことがあります。間違まちがっていると思おもわれるのが恥はずかしくて、手てを挙あげることができませんでした。だから、本当ほんとうのことを言いえなかった王様おうさまの気持きもちは、少すこし分わかります。

④ 比くらべて考かんがえたこと

けれども王様おうさまは、本当ほんとうのことを言いえないまま、町まちを歩あるくところまで進すすんでしまいました。私わたしは、本当ほんとうのことをかくし続つづけると、あとになるほど、言いい出だしにくくなるのだと思おもいました。これからは、周まわりと違ちがっていても、自分じぶんが考かんがえたことを、少すこしずつ言いえるようになりたいです。

これで、四よっつの材料ざいりょうがそろいました。つなげて読よんでみましょう。

私わたしは、王様おうさまが服ふくを着きていないのに、立派りっぱな服ふくを着きているふりをして、町まちを歩あるいたところが、一番いちばん心こころに残のこりました。

王様おうさまには、本当ほんとうは服ふくが見みえていませんでした。それでも、見みえないと言いったら、愚おろかな王様おうさまだと思おもわれるのがこわくて、服ふくをほめたのだと思おもいます。

私わたしも授業じゅぎょうで、自分じぶんの答こたえが、みんなと違ちがったことがあります。間違まちがっていると思おもわれるのが恥はずかしくて、手てを挙あげることができませんでした。だから、本当ほんとうのことを言いえなかった王様おうさまの気持きもちは、少すこし分わかります。

けれども王様おうさまは、本当ほんとうのことを言いえないまま、町まちを歩あるくところまで進すすんでしまいました。私わたしは、本当ほんとうのことをかくし続つづけると、あとになるほど、言いい出だしにくくなるのだと思おもいました。これからは、周まわりと違ちがっていても、自分じぶんが考かんがえたことを、少すこしずつ言いえるようになりたいです。

どうでしょう。心こころに残のこった場面ばめんを説明せつめいするだけでなく、王様おうさまの気持きもちを考かんがえ、自分じぶんの心こころと比くらべたことで、その子こにしか書かけない読書どくしょ感想かんそう文ぶんになりました。

中学年ちゅうがくねんでは、物語ものがたりの全部ぜんぶについて書かこうとしなくても大丈夫だいじょうぶです。心こころに残のこった場面ばめんを一ひとつ選えらび、その場面ばめんで、中心ちゅうしんとなる登場とうじょう人物じんぶつがどんな気持きもちだったのかを考かんがえます。

書かくことが分わからなくなったら、心こころくらべメモへ戻もどってみてください。王様おうさまは何なにを言いったのか。何なにをしたのか。そのとき、どんな気持きもちだったのか。自分じぶんにも、似にた気持きもちはなかったか。一ひとつずつ確たしかめると、次つぎに書かくことが見みえてきます。


おわりに

最後さいごに、今日きょうの内容ないようをまとめます。

低てい学年がくねんの読書どくしょ感想かんそう文ぶんでは、自分じぶんの心こころが動うごいたところと、自分じぶんの経験けいけんをつなげました。中学年ちゅうがくねんでは、そこから一歩いっぽ進すすんで、中心ちゅうしんとなる登場とうじょう人物じんぶつの気持きもちを考かんがえます。

登場とうじょう人物じんぶつが、何なにを言いい、何なにをしたのか。物語ものがたりの言葉ことばや行動こうどうを手てがかりにして、心こころの中なかを読よんでいきます。そして、登場とうじょう人物じんぶつの心こころと、自分じぶんの心こころを比くらべます。同おなじ気持きもちが見みつかっても、違ちがう気持きもちが見みつかっても大丈夫だいじょうぶです。比くらべたところから、自分じぶんにしか書かけない考かんがえが生うまれます。

中学年ちゅうがくねんの読書どくしょ感想かんそう文ぶんでは、登場とうじょう人物じんぶつの心こころを読よみ、自分じぶんの心こころと比くらべることを、大切たいせつにしてください。

もし「自分じぶんの気持きもちが、なかなか見みつからない」「自分じぶんの経験けいけんと、どうつなげればいいのか分わからない」というときは、【小学しょうがく1・2年生ねんせい】読書どくしょ感想かんそう文ぶんの書かき方かたもあわせてどうぞ。心こころに残のこったところから、自分じぶんの気持きもちや経験けいけんを見みつける方法ほうほうを、くわしく紹介しょうかいしています。中学年ちゅうがくねんのお子こさんが読よんでも、もちろん大丈夫だいじょうぶです。

おわか文庫ぶんこでは、教科書きょうかしょや児童じどう文学ぶんがくを、子こどもにも分わかる言葉ことばで、そして大人おとなにも深ふかく届とどくように読よみ解といています。

物語ものがたりを、もう一度いちど好すきになる。そして、次つぎの一いち冊さつへ。

最後さいごまで読よんでくださって、ありがとうございました。それでは、また次つぎの記事きじでお会あいしましょう。

あわせて読みたい