『スイミー』考察① みんなで生きるって、どういうこと?
▶ YouTubeで見るスイミー|仲間とつながる強さとは?【考察】小さな黒い魚、スイミー。
赤い魚の兄弟たちと楽しく泳いでいたのに、ある日すべてを失ってしまいます。
『スイミー』は、まず何より、ひとりぼっちになった魚が、また仲間を見つける物語です。
ひとりぼっちになった日

スイミーは、赤い小さな魚の兄弟たちと、広い海で楽しく暮らしていました。
けれどある日、おなかをすかせた大きなまぐろが、ものすごい速さでおそいかかってきます。逃げ切れたのは、スイミーひとりだけでした。
兄弟たちは、みんな一口で食べられてしまいます。
一匹だけ、泳ぐのがだれよりも速かったスイミーだけが、暗い海の中に取り残されました。
広い海を、ひとりで泳ぐ

ひとりになったスイミーの心には、こわさと、さみしさが広がります。
けれど泳ぎ続けるうちに、スイミーは少しずつ、海の中の美しいものに出会っていきます。
にじ色のゼリーのようなくらげ。水中の森のようなこんぶやわかめ。見たこともない魚たち。ドロップみたいな岩に、うなぎ。いそぎんちゃく。
すばらしいものを見るたびに、スイミーは少しずつ元気を取りもどしていきました。 こわいことばかりではない——海には、そう思わせてくれるものが、ちゃんとあったのです。
そっくりな仲間との出会い

そして、岩かげに、スイミーは小さな赤い魚の群れを見つけます。自分の兄弟たちと、そっくりでした。
スイミーはうれしくて、いっしょに泳ごうと誘います。けれど、赤い魚たちは答えました。
「だめだよ。大きな魚に食べられてしまうよ」
大きな魚がこわくて、みんな岩かげに隠れたまま、外に出られずにいたのです。
「みんなで、大きな魚みたいに」

スイミーは、考えます。そして、ひらめきます。
小さな魚たちが集まって、一匹の大きな魚のような形になって泳げばいい。
みんなで、それぞれの場所を守って泳ぐ練習をします。そしてスイミーは、自分だけ、黒い体を生かして、大きな魚の「目」の場所に泳ぎました。
こうしてできあがった大きな魚の群れは、朝の冷たい海を泳ぎ、本物の大きな魚たちを追い出してしまいます。
ひとりでは無理でも、みんなとなら

ここまでを読むと、『スイミー』はまず、こんな物語だと分かります。
ひとりではできないことも、みんなで力を合わせれば、できることがある。
こわがって隠れているだけだった赤い魚たちが、スイミーの一言と、ひとつのアイデアによって、大きな魚さえも追いはらえる存在に変わったのです。
「みんなで、同じ方向を向いて進む」——それが、この物語がまず伝えてくれることだと思います。
考えてみたい問い
| 問い | ねらい |
|---|---|
| スイミーは、なぜひとりぼっちになったんだろう | できごとの整理 |
| 海で出会ったきれいなものを、いくつ覚えているかな | 読み返して確かめる楽しさ |
| 赤い魚たちは、なぜ隠れていたんだろう | 登場人物の気持ちを考える |
| スイミーのアイデアの、どこがすごいと思う? | 工夫のポイントに気づく |
この記事は、YouTube「おわか文庫」の考察動画をもとに書いています。あわせて「みんな同じじゃなくていい?」、「ちがいを生きる、という決断」もどうぞ。
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