有名な物語手袋を買いに(新美南吉)
『手袋を買いに』最後の「人間はいいものかしら」は、なぜ二回くり返されるのか
▶ YouTubeで見る手袋を買いに|隠されたメッセージを読む子ぎつねは、手袋を買って無事に帰ってきます。母ぎつねは喜びますが、物語は「人間はいいものかしら」という問いで終わります。
しかも、この問いは二回くり返されます。母ぎつねは、人間をすっかり信じるようになったのでしょうか。
一回目には、驚きがある

母ぎつねは、人間を恐れていました。それなのに子ぎつねは捕まらず、ちゃんと手袋を買って帰ってきました。
人間への見方が、今までの経験と合わなくなります。一回目の問いには、「本当にそんなことがあるのだろうか」という驚きがこもっているようです。
二回目には、願いがある

同じ問いをもう一度言うとき、母ぎつねはすべての人間を信じきったわけではありません。昔のこわい記憶も、まだ残っています。
それでも、子ぎつねが出会った帽子屋さんのことを知って、もう一度人間を見直してみたい気持ちが生まれます。二回目には、「そうだったらいいな」という願いも聞こえます。
答えを言い切らないから、問いが残る

物語は「人間はいいものだ」と言い切りません。こわさと希望が、母ぎつねの中に一緒に残ったままです。
だから最後の問いは、母ぎつねだけのものではありません。読んだ人にも、人をどう見ていくかを考えさせる問いになります。
考えてみたい問い
| 問い | 考える手がかり |
|---|---|
| 母ぎつねは、人間を信じるようになったのだろうか? | こわい記憶が消えたか考える |
| 同じ問いを二回言ったのは、どんな気持ちからだろう? | 一回目と二回目の言い方を想像する |
| 答えを言い切らない結末には、どんなよさがある? | 読んだあとに残る気持ちを考える |
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