『不思議の国のアリス』意味不明な世界には、どんな意味がある?
▶ YouTubeで見る不思議の国のアリス|意味不明な世界の意味【読書感想文におすすめ‼︎】『不思議の国のアリス』には、変なことが次々に起こります。
ポケット時計を持った白ウサギ。大きくなったり小さくなったりする飲み物や食べ物。答えのないなぞなぞ。理由もよく分からないまま「首をはねろ」と言う女王。
アリス自身も、何度も「意味わかんない」と思います。
けれど、この物語は、ただ意味のないことを並べた話なのでしょうか。アリスの目に映る大人たちの世界だと考えると、少し違った見え方がしてきます。
ルールがあるのに、理由は教えてくれない

アリスが穴の中に入ると、そこには小さなドアと金の鍵があります。庭へ行くためには、小さくならなければなりません。
飲み物には「のんで」、ケーキには「たべて」と書かれています。アリスは少し怪しみながらも、そのとおりにします。
すると体の大きさが変わり、さっきできなかったことが急にできたり、今度は別のことができなくなったりします。
アリスの世界には、たしかにルールがあります。でも、なぜそうしなければならないのか、だれもきちんと説明してくれません。
子どもが大人の世界で出会う決まりごとも、ときにはこんなふうに見えるかもしれません。「そういうものだから」と言われても、理由が分からないまま守らなければならないことがあるからです。
話しているのに、話が通じない

毛虫はアリスに「お前はだれだ?」とたずねます。けれど、アリスは大きくなったり小さくなったりして、自分が自分ではないように感じています。
「わからない」と正直に答えているのに、毛虫はそれで話を終わらせようとします。
帽子屋や三月ウサギとのお茶会も同じです。なぞなぞを出しておいて答えはない。時間とけんかをしたから、ずっとお茶の時間だと言う。アリスが「それはおかしい」と思っても、相手は気にしません。
言葉は交わしているのに、話はなかなか前に進みません。アリスが困っていることよりも、相手の決まりや気分のほうが優先されているように見えます。
「どっちでもいい」と言われても、アリスは困る

チェシャ猫に、どちらへ行けばよいか聞くアリス。すると猫は、「どこへ行きたいか決めていないなら、どっちでもいい」と答えます。
言葉だけを見れば、もっともな答えです。
でも、アリスが知りたかったのは、正しい言葉ではなく、困っている自分を少し助けてくれる答えでした。
大人は、正論を言っているつもりでも、子どもが本当に聞きたいことを受け取れていないことがあるのかもしれません。チェシャ猫の答えは、アリスにとっては役に立たないのです。
女王の裁判は、最初からおかしい

物語の終わりに出てくる裁判では、証人が何も覚えていなかったり、証言をしなかったりします。証拠もはっきりしないのに、女王は怒鳴り、すぐに「首をはねろ」と命じます。
それでも、まわりの人たちは女王の言葉に従っています。
アリスはとうとう、「この裁判、おかしい」と口にします。話がめちゃくちゃで、最初から決めつけられていることに気づいたからです。
ここでは、大人たちが作ったらしい立派な仕組みが、実はだれも納得できるものではないことが見えてきます。決まりや肩書きがあっても、それだけで正しいとは限りません。
アリスは、変な世界にのみこまれない

不思議の国では、アリスも何度も迷います。泣いたり、腹を立てたり、「もうわからない」と言ったりします。
それでも最後には、トランプの兵隊たちを見て、「ただのトランプじゃん」と言います。
こわそうに見えた世界を、少し離れて見直した瞬間です。女王や裁判の力に、ずっと従わなければならないわけではないと気づいたのです。
『不思議の国のアリス』の意味不明さは、子どもの目に映った大人の世界のおかしさなのかもしれません。分からないことを「分からない」と言い、おかしいことを「おかしい」と言うアリスの姿が、この物語をただの変な夢で終わらせていません。
考えてみたい問い
| 問い | 考える手がかり |
|---|---|
| アリスがいちばん「意味わかんない」と感じた場面はどこだろう? | 毛虫、お茶会、女王の裁判などを思い出す |
| チェシャ猫の「どっちでもいい」という答えは、本当に正しいだろうか? | 言葉として正しいことと、助けになることを比べる |
| 女王の裁判のどこがおかしいと思う? | 証拠、証人、女王の命令に注目する |
| アリスは最後に、何に気づいたのだろう? | 「ただのトランプじゃん」という言葉を考える |
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